
耐用年数は、減価償却時に必要になる基準です。ドローンには様々な使用方法がありますが、耐用年数はどのくらいに設定されているのでしょうか。本記事では、ドローンの耐用年数はどのくらいなのかについて紹介します。高額なモデルを購入した際の減価償却の計算についても触れているので、ドローンの購入を検討している方は参考にしてください。
ドローンの耐用年数とは
耐用年数とは、対象の資産を使用できる期間のことです。これは、確定申告を行う際に必要になります。名前が似ていますが、耐久年数とは別物なので間違えないよう注意しましょう。
減価償却では、耐用年数に基づき毎年少しずつ購入費用を経費として計算していきます。
ドローンの種類・用途ごとの耐用年数
ドローンは、利用用途ごとに耐用年数が異なります。10万円以上のモデルを購入し、減価償却で経費として計算する場合は、購入したモデルの耐用年数が重要になるので覚えておくと良いでしょう。
なお、ここで紹介している耐用年数は一例であり、細かなルールは時間の経過で変更されている可能性があります。そのため、実際に経費として計上する際は、必ず専門家の意見を確認してください。
プライベート用の場合
プライベート用に購入する場合は経費で支払うことはできないため、当然耐用年数は適用されません。耐用年数が適用されるのは、事業用として購入した場合のみです。脱税になってしまうので、間違えないよう注意しましょう。
カメラとして使用する場合
撮影用のカメラとして購入されたドローンは、国税庁公式サイトで耐用年数は5年と明記されています。航空法上では航空機として扱われますが、主に撮影目的で購入したドローンは税法上カメラに分類されます。これは、カメラの耐用年数と同じだと考えるとわかりやすいでしょう。
農作業に使用する場合
農薬や肥料の散布や種まきなどの農作業での利用目的で購入されたドローンは、農業用設備に区分され、耐用年数は7年で計算される可能性が高いです。国税庁などの公的機関から明確な指示は出ていないため、農作業用で購入した際は必ず税理士や顧問弁護士の意見も参考にしてください。
測量に使用する場合
建築業などで測量に使用する目的で購入されたドローンは、カメラとして扱われ耐用年数は5年で計算される可能性が高いです。測量に使用する場合に関しても、農作業に使用する場合と同様に公的機関から明確な指示は出ていません。経費に計上する際は、必ず税理士や顧問弁護士の意見を確認するようにしましょう。
ドローンの減価償却の計算方法
初めて計算する方からすると、難しいものに感じるかもしれませんが、計算式は複雑ではないため誰でも簡単に計算できます。なお、計算式はパソコンや社用車、農機具などを購入した際と全く同じなので、減価償却の経験がある場合は耐用年数だけ確認すると良いでしょう。
減価償却が可能な種類
減価償却が可能なのは、購入価格が10万円以上のモデルのみになります。10万円以上のモデルを購入した際は、一括で購入した年の経費として計算します。なお、減価償却や経費にできるのは業務用に購入したドローンだけであり、個人がプライベート用に購入した場合では経費にすることはできません。
減価償却の計算方法
減価償却の計算方法には、定額法と定率法があります。
<選び方>
初年度に多く経費として計上したい場合は定率法、毎年同額の経費として計上したい場合は定額法を選ぶと良いでしょう。
<計算方法>
定額法:「取得価格×定額法の償却率」
定率法:「取得価格(または未償却残高)×定率法の償却率」
償却率は法律で定められた耐用年数で決まります。耐用年数は、機種ではなく利用用途ごとに異なるので「ドローンの種類・用途ごとの耐用年数」の見出しを参考にしてください。なお、税金に関するルールや耐用年数のルールは時間の経過で変わる可能性があるので、実際に経費として計上する際は必ず最新のルールを合わせて確認しましょう。
減価償却の例
定額法であれば「取得価格×定額法の償却率」定率法では「取得価格(または未償却残高)×定率法の償却率」という計算式で減価償却費を割り出すことが可能です。
<例>
耐用年数5年のドローンを100万円で購入した場合
【定額法】
「100万円(取得価格)×0.2=20万円」となります。
【定率法】
1年目が「100万円×0.4=40万円」、2年目が「60万円×0.4=24万円」、
3年目が「36万円×0.4=14万4,000円」、4年目が「21万6,000円×0.4=8万6400円」
5年目が残りの12万9600円となります。
複定額法の方が毎年の金額が一律でわかりやすいため、複雑な計算が苦手な方や初めて減価償却を計算する方は定額法がおすすめです。
まとめ
ドローンの耐用年数は、どのような目的で購入したのかによって大きく変わってきます。そのため、10万円以上の製品を購入し減価償却を行う際は注意が必要です。利用用途ごとの耐用年数やどの資産区分に分類されるかは諸説あるため、計算する際は必ず税理士や顧問弁護士の意見を確認しましょう。また、実際の計算も自分で行うよりもプロに依頼することをおすすめします。本記事が、ドローンの購入を検討している方のお役に立てれば幸いです。