ドローンを操縦するには、年齢の制限があるのでしょうか。ドローンは農業、建設、災害対策、エンターテインメント関連の空撮など、さまざまな分野で活躍するツールです。利用を考えている方にとって、年齢制限やその他の制約についての知識は重要です。この記事では、ドローンの操縦や資格取得に関する年齢制限について詳しく解説します。
ドローンの操縦に年齢制限はないが国家資格取得は18歳以上
現行の法律では、ドローンを飛行させる際の年齢制限は設けられていません。つまり、年齢に関係なく、誰でもドローンを操作可能です。ただし、メーカーによっては推奨される対象年齢が設定されていることがあります。
また、国家資格取得する場合は「申込時に16歳以上」であることの制限が設けられていたり、民間資格だと年齢制限はないが18歳未満は保護者の同意書が必要なものもあります。
ドローンは高度な操作が必要で、一般常識や危険を予測する能力が十分に発達していない若年層が操作する場合、重大な事故が発生する可能性があります。仮にドローンが他人の財産や身体に損害を与えた場合、深刻な責任問題に発展しますが、子どもは金銭的にも責任を取れません。
そのため、ドローンを操作する際には、適切な年齢と判断力が備わる年齢であることが実質的には必須とされています。また、航空法上での扱いも同じく、ドローンを飛行させるための許可や承認の申請に年齢制限はありません。
年齢に関係なく、必要な申請手続きは誰でも可能です。ただし、航空法では無人航空機の飛行経歴や知識、能力に関する基準が定められており、これに基づいて審査されます。基準を満たすためには、ドローンの操作に必要な知識があり、能力を発揮できる年齢に達していることが前提とされます。
ドローンの許可承認の申請・審査基準について
特定の条件でのドローンの飛行には、国土交通省や関連機関からの許可が必要です。飛行場所や飛行方法によって異なる規制があるため、ドローンを安全に運用するためにはこれらの基準を理解し、正確に守ることが大切です。ドローンを飛行させる許可や承認が必要なケースや、要件について確認していきましょう。
100g以上は許可が必要
100g未満の小型ドローンであれば、特定の条件を満たさない限り、許可を取る必要はありません。しかし、地域の条例などで公園での使用が制限されている場合があるため、飛行予定のロケーションが適しているかの確認は必須です。
一方、100g以上のドローンでは、飛行場所と飛行方法に応じて許可を受ける必要があります。空港周辺や高度150m以上の空域、または人口が集中している地区上空の飛行は、国土交通省や空港事務所の許可を求められます。
申請要件
飛行許可を申請するには、ドローン操縦者が一定の要件を満たしていることが前提です。最低10時間以上の飛行経験、航空法や関連法令に関する知識、安全飛行に必要な技術や判断力が必要です。加えて、操縦者は機体の操作能力も問われ、正確な操縦ができることも求められます。
申請が完了すると、国土交通省や空港事務所が内容を審査し、飛行の安全性や操縦者の能力を確認したうえで許可または承認が下されます。通常、審査には一定の期間がかかるため、仕事などで必要なときに許可が間に合わないということがないように計画的に申請することが大切です。
ドローンの操縦に免許は必須なのか
多くの人は、ドローンを飛ばす際には免許が必須だと思うのではないでしょうか。しかし、実際には免許や資格がなくても飛行させられます。
しかし、すべての場所や条件で自由に飛ばせるわけではなく、国土交通省の飛行許可・承認申請を経なければ飛行できないエリアが存在するため、適切な知識と準備が必要です。
許可が必要なケース
ドローンを特定飛行させる際には、国土交通省の許可が必要です。特定飛行とは、空港の近くや人口が集中する地域、または地面から150m以上の空域などです。
特定飛行の際には、国土交通省から飛行許可を取得しなければなりません。さらに、夜間の飛行や目視外での飛行、第三者や建物に30m以内に近づく飛行、そして多くの人が集まるイベント上空での飛行なども、国土交通省からの許可が必要です。
国家資格で許可を省略できる
国家資格である二等無人航空機操縦士以上を取得すると、通常は国土交通省の許可が必要な飛行にも許可が必要なくなります。国土交通省が指定する機関で身体検査、学科試験、実地試験をクリアすると技能証明書が交付されます。この証明書がいわゆるドローンの免許にあたり、証明書の有効期間は3年間です。
まとめ
ドローンの操縦や資格取得には、法律上の年齢制限はありません。しかし、実際には一般常識を理解できる年齢であることや、操縦スキルをもつことを求められます。さらに、特定の空域や飛行方法によっては、国土交通省の許可を求められる場合もあります。したがって、年齢の制限なく、誰でもどこでも操縦できるものではありません。さまざまな規制や制約について、理解しておくことが求められます。国家資格を取得することで、より高度なレベル4飛行が可能となり、国土交通省への申請も省略できる場合があります。現在の業務や将来の事業展開を見越して、国家資格を取得することも検討してください。